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STRAWBERRY MOON

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微熱 1

Category - 微熱
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俺に問いかけるたびに動く咽喉とその声くらいで他はよく覚えていない



夢で見るその人が誰なのか気になって
そもそもなんでそんな夢を見るのかすら分からないから、それも気になる


幼い頃の記憶なのか、それとも俺が作り出した人物なのか…なんなのか





でもそんな夢を見た日は軽く熱があって





「薬、飲んどくか…、」



そう思い救急箱を漁っても出てくるのは胃薬くらいで諦めて水だけを飲み込む



夢と微熱

そんな日はなぜか切なくなって窓から空を見上げる



俺はなんでこんな夢を見るのか…と












「で、今日はその懇親会っていうことで夜開けといてくださいね?」



「…あぁ、」





探偵業なんて名ばかりで何でも屋って言った方がいい俺の仕事


知り合いに誘われてなんとなく始めた仕事だけどどこかで夢の中の人物を探してる

自分でも現実味がない話って思うけど






「この書類、ザッと目を通しておけよ?
おまえが適任な仕事だから。」



「僕の方が上手くやれる気がするのに…」


「おまえはダメ。本当に喰っちゃうだろ?」





どっちも綺麗な顔して笑って話してるけど
今回の仕事は別れさせ屋的なもので、しかも相手は男






「…なんで俺が適任なんだよ…、」


「ターゲットはストレートみたいだし人誑しのユノポンが適任。じゃ、よろしくな?」





…デカい会社って言ったって社の人間じゃないってすぐバレるんじゃね?

とは思いつつ、今日の自分を頭に叩き込む




ホテルの大広間での入社式後の懇親会

そこに潜り込み
こいつに接触して騙さなきゃならない



記憶するのは得意だけど騙すのは気が引ける

別れたいならはっきり別れたいって言えばいいのに、と心のどこかで…、






「お嬢様の考えることは分からないな。」



「まぁ、親が決めたことに反抗したいお年頃なんじゃないの?」


「…にしても、男に頼みたいって、」



「ゲイだったら親も諦めるってとこだろ。」





書類に添付されてる写真を見る限り男前だし
経歴、家柄だって申し分なさそうなのに


…性格が悪い、とか?




情報以上の推測は邪魔になるものなのに、つい







「部屋番号は1157な?
いい感じに雰囲気出しておけよ?」




「…ん、…わかった。」





いつものように写真だけ
そういう雰囲気に見えるようにってことで



あんまいい気持ちしない仕事だけど、な…






「じゃ、結婚式のサクラやってからそっち移動するわ。」


「スーツは着替えろよ?」



「わかってるって、」




幸せを祝う高校時代の友人のフリした後は人を別れさせんのか…

なんか複雑だな…、



体温がまた少し上がったように感じる
頭の痛みも強くなった気がして空を見上げる



…別に降りそうな気配はないよな?


そういや
天気が変わる時に頭痛が起きることがあるって
…誰に聞いたんだっけ、な…



揺れる記憶
曖昧な記憶




俺は過去の記憶の一部がぽっかりと抜け落ちてる

…その頃の自分もきっと探してるんだ俺は




書類をシュレッダーにかけ俺の記憶にのせる
俺だけの記憶の中に




「…それじゃ行ってくる。」



「あぁ、あとでな。」

「上手くやってね?最近、肉にありつけてないんだから。」





人の人生を変えるっていうのを金に…

まぁ、こんなとこに頼んでくる奴と結婚したって先は見えてるか…



自分にそう言い聞かせて気怠いカラダで事務所を出る




秋晴れの空


曇るのは俺の心の中だけだった







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今日も読んでくれてありがと!
新作…は、なんとなーく不思議な感じ?←また…
昨日はリア彼にコメントたくさんありがとうー
拍手もいっぱいありがとうー
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Category - 微熱

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2018/09/20 (Thu) 07:16 | REPLY |   

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