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STRAWBERRY MOON

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音 77

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お、ラッキー7×2←おいおい、iPhoneだと1にいくのが大変な話数だぞ…ボケ猫

(`・ω・´)ごめんにゃ!




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「いらっしゃい。待ってたのよ。」





いつものように柔らかく微笑む

俺が連れて来たのが男なのに全く驚かずに隣に立つチャンミンにぺこりと頭を下げ




「キムと申します。はじめまして。」




…と、






月1の調律を今日にして欲しいとの連絡
「お休みの日にごめんなさいね。」と

キムさんがそんな事を言うのは初めてで

昔馴染みの常連さん
しかも俺を可愛がってくれてる人の頼みだから俺は喜んで引き受けた


ただ…、






「待てど暮らせど…、ユノくんたら大切な人を連れて来ないんだもの。」




そう言い拗ねたように唇を尖らせるキムさんのもう一つの注文は、

調律に来る時、
ちゃんと連れて来なさい。と…いうものだった。











夏の日差しを受けマダラの葉を揺らす生垣


濃い緑と薄い緑
風に揺れて微かな音を鳴らす


門のかわりになってるスッと背の高い木々たちも揺れ

優しく俺たちを迎い入れてくれる




大通りから少しだけ入った緑豊かな住宅地にあるキムさんの家は

その人柄を表すような…








「…とてもお似合いなふたりね?」




俺とチャンミンを交互に見やると
柔らかな溜息を出してそんな事を言う





…俺の噂は知ってたんだろうけど、
こんな風にもてなされるとは思ってなかった



言われた通りにチャンミンを連れて来たものの不安だったから、ホッと胸を撫で下ろし隣に目をやれば

俺とキムさんを交互に驚いたように見てる





「お、付き合いさせて頂いてます…
シム・チャンミンです。」



そう言って深く頭を下げるから、俺もつられて




「そう。チャンミンくんね…、
さぁさ、あなたも一緒に中に入って?」




そう言って促された玄関に漂うのは
いつもの香り

俺の好きなクッキーが香ばしく焼ける香り




お土産に貰った袋を開ければ、いつもこの優しい香りが漂う。



バターの味が美味しくて
サクっと鳴らす音と共に口の中に広がるたびに頬が緩む

シンプルだけど、いつも変わらないその味が好きで、あっという間に平らげちまう。



月に一度の大切な楽しみ




その香りに誘われるように、
その背中を追ってチャンミンと並び
グランドピアノが置いてあるリビングへと、





扉の向こう側からコポコポっと、カタカタっと
やかんの奏でてるような音が軽快に聴こえてくる





「あら、大変。」



言葉とは裏腹なゆっくりした口調で
ゆっくりを俺たちの方へと振り返り少女のように笑う

グレーがかった髪を押さえ
ふっと微笑むと目尻に浮かぶその筋にいつも癒される


…俺もこんな風になりたいなって思う


たくさん笑ってきた証のそのシワが幸せの象徴みたいで、俺は好きだ。





「待ち遠しくって…、今、紅茶を淹れますね?そこ、座ってらして?」



「え?ぁ、調律…、」


「は、後にしましょ?
少しだけお話しに付き合ってくださる?」




その小柄な身体を弾ませてパタパタっとキッチンの方へと消えていく背中を目で追い

…、話?




いつもと変わらない穏やかな時を刻むこの場所が、ちょっとだけ違って見える



小物好きの彼女が収集してるものを飾ってあった棚がカランとしていて

たくさん飾ってあった写真たてが見当たらない



キョロキョロっと見渡す俺の傍でチャンミンも同じように見渡し




「素敵な家ですね。凄く落ち着きます。」
と、小声で耳打ちしてくる。





…、チャンミンを連れて来いって言ったってことは…、馴れ初めとかを聞きたいとか?


なんて思ってる俺を放って

目を輝かせるようにして見渡し
いつも俺が調律してるグランドピアノに歩み寄る




いつも光るように磨かれてる幸せなピアノ


年代ものなのにそう感じさせないそれは
キムさんの愛の証





「それね。主人の結婚指輪代わりなの。」



いい香りと心地良い音をさせながら帰ってきた彼女はそうチャンミンに告げる



「借金して買ったのよ?うちの人ったら考えなしに身の丈以上の高いピアノ買っちゃって…」



昔を懐かしむ声は愁いがかったように語尾がかすれ、視線はいつも写真が飾ってあったそこへと



「でも、もうお別れしなくちゃいけなくて、」


「売っちゃうんですか?」



…だとしたら、ショックで
買い取り依頼されたって俺が手放せない

このピアノは…、





「違うのよ。わたしがね。引っ越すの。」


「え?」



「娘夫婦がね。一緒に暮らさないかって…、
孫もひとり立ちしたし、それぞれに家を持っているから、ここを手放さなきゃならないの。」





柔らかな物腰でチャンミンを手招きすると俺の横に座るように、と




「ここからが本題、
ユノくんたちにわたしの我儘を聞いてもらいたいの。」



そう口火を切り、
イタズラっこのように目を細め話し始めたことは、俺もチャンミンも願ったりの話で



「いつでも戻ってこられる…、わたしの家になってくださる?」



そう言って話が終わった。





…あの親父が、



思ってもなかった、
親父が後押ししてくれてたなんて…、




「お父様にも伝えたのだけれど、ここは建て替えの出来ない土地だから…、迷惑になっちゃうかもしれないんだけれど…」



この家を俺たちにって、

…俺とチャンミンが暮らしていく年月以上に
この家は大丈夫そうで、



「だからお値段は格安で、」と




チャンミンと目を合わせれば


こぼれ落ちそうな瞳
口は…、ぽっかりとあいてて、


でも、次第に笑みが浮かび頷く





棚から牡丹餅…だけど、


キムさんも親父も、
俺たちを認めて支えてくれたように感じて


チャンミンと住む家


その希望が見えただけじゃない嬉しさが、




「今日、あなたを見て、あなたたちの姿を見て決めたのよ?」



チャンミンに向けられた優しい音



「この家もユノくんも…、
幸せにしてくれそうなあなただから、決めたの。」




女の第六感は凄いのよ?
なんて茶目っ気たっぷりな口調で

俺の好きなクッキーとミルクティー
3人で奏でた音は幸せの約束

俺たちに、またもうひとつの家族が増えた









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今日も読んでくれてありがと♡
ふふ。ラッキー7、新曲MUSIC VIDEO解禁に合わせた僕猫です←嘘言うな!
こちらは雨だよ〜昨日は暑かったのにちょっと肌寒い。僕猫は雨の音も好き♪みんなはどうかな?
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4 Comments

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2018/06/27 (Wed) 14:30 | REPLY |   

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2018/06/27 (Wed) 14:50 | REPLY |   

チャオ  

私も好き(^^♪

雨の音♪

しとしと、ぽつぽつ、ざーざー

どんなのもいいな

あっ、でも被害が出ちゃうのはお断りです

2018/06/27 (Wed) 21:12 | REPLY |   

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2018/06/27 (Wed) 21:54 | REPLY |   

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