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STRAWBERRY MOON

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音 8

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自然と店に足を向け並び歩く。


俺の奢りだって言ってたのに
ほぼ折半みたいなもんになってた。





学生なんだから金ねぇだろうし
ちょこちょこ差し入れだってしてくれてる

そのことを俺が言えば


「教本も頂いちゃってますし、ギターもお借りしてますし
いっぱい飲んじゃいましたから。」

と一歩も引かず




ギターは俺が気に入って売りもんから外しただけだし
教本も俺のお古ってだけなのに


律儀な奴、






あんだけ降ってた雨が止み
凄い勢いで雲が流れていく


水たまりがピチャリっと音立て
2人の足音に装飾音をつける




「それじゃ、火曜日はいつもの時間にバイト入りますんで、」


店の裏口に着くと雨に濡れた自転車を横目に帰ろうとする。




「おい、自転車は?」


「…飲酒運転になっちゃうでしょ?」



って、おまえのルールの線引きってのがよく分からねぇな、




「…泊まってけば?
こっからの方が学校近いだろ?」


今日は店は休みだし、服は俺のがあるし、

…俺は久しぶりに実家に帰ってみるかな?






「もう少し歩きますか?
…、月も出てきましたし…、」


「え?」


「酔い覚ましに歩きましょうよ。

空気も澄んでるし、このまま寝るのがもったいないような気がしてきました。」



そう言い足音を鳴らし始めるチャンミンを
追う


追いつき横に並べば
目を細め柔らかく微笑む





しばらくその足音と
チャンミンと俺が吐く息の音


たまに聞こえてくるエンジン音やタイヤが飛沫あげる音



どこかの家から聞こえてくる
季節外れの風鈴の音




そんな静かな音色だけが聞こえてくる道を
2人並んで歩いた








「あの…ですね。」


「ん?」



控えめに響く低音

耳触りがとても良くてやっぱりコイツの声
好きだな。




「…黙ってるのは、やっぱちょっと卑怯だとおもうので、ちゃんと言いますね。」




少し言いにくそうな入りにドキッとする。



何度か息を吐き出すようにして
頭を指でかき

何度か咳払いをする。





「あーのですね、…、うん、

初めに言っときますけど、僕は店長に対する考え方を変える気は一切ないんです。」







鳩尾あたりがズクンと掴まれる



もしかして…




…ヒョンのこと、か?







ゆっくり動き始める唇





…出てくる言葉が怖くて目をそらす








「前にちらっとカンさんたちが店長とお父さんの確執云々っていう話をしてて、」





「…あぁ、」



「あの人が来た時、カンさんたちが騒ついて、ボアさんもすっごい形相で睨んでたので

そうかなと、勝手に思って割り込んじゃったわけなんですけど…」







奏でるテンポがズレていく…


少しだけ離れてく音、



それを修正するかのように

アンダンテからスローテンポに合わせてくれる音






チャンミンが言いたい事って、なに…







「カンさんたち、なんつってた?」





他の奴らに汚く罵られても傷付く事はない


けど、あんなことがあったっていうのを知ってながら、長い付き合い

可愛がってくれてるように思ってたカンさんたちに陰口を言われてたとしたら…



聞いていたことが本当だったとチャンミンが思っていたとしたら…









「誤解させる言い方しちゃってすいません。

カンさんたちは…、ユノは恋に恋する年頃だっただけで、相手の男が悪いって…」




「…え?」



「店長のこと、悪く言う人なんていませんよ。

ボアさんだって、仕事終わったあの人見送るって外に出て…、思いっきり張り手食らわせてましたから。」




…あいつ、あの後の俺のことを知ってるからな




離れていった友人達

ヒョンくらいの年齢の男の人が近付くだけで
ぶっ倒れたこともあった

ボアだけはずっと変わらずに





「みんな店長のこと大切に思ってますし、大好きなんですよ。」





そう言った後、黙りこむから不安になってチャンミンをコソリと盗み見る



表情は少しかたく
言葉を選んでいるのか視線が左右に動いてる



何を言われても
自分の責任なんだから…

どんな言葉で言われても俺は傷つかない。
そう言おうかと、




フッと吐かれた息の音にその想いが止まる

出てくる言葉を待ってしまう。




そんな俺に視線を少し流し「呆れないでくださいね。」と






「今日は店長をひとりに出来ないって言って側にいてくれようとしてたボアさんから
僕が役目取っちゃったんです。

ご飯食べに行く約束してるって言って。」





…何を、どう解釈すれば…





「店長が裏に入った後すぐに‘様子見てきて’ってボアさんに言われたり…

僕もあの人のこと、張り倒してやりたかったんですけど、それもボアさんが…」





…そんな風に守ってもらえるような俺じゃないのに、





「僕にはそんな歴史がなくて…、

気付けなかったり何もできなかったりが
なんか…、悔しかったんですよね。」




音が止まり


空を見上げるチャンミンを俺は見る





「もっと早くに店長と出会いたかったとか
僕だけ時間が早く過ぎて、店長より大人になれればいいのにとか

あり得ないことを願っちゃうなんて初めてです。」




優しい言葉を選んで話してくれるチャンミンはもう十分大人で




「頼りないかもしれないですけど、いつでも力になりたいと思ってますから。」




…どれだけ、俺が救われたか。


おまえのその綺麗な
心から思いやってくれる心からの心に

さりげなく側にいてくれようとしたことに


紡いでくれる言葉は俺を否定するもんじゃなく

全部…、





「…頼りにしてるって。
おまえがいなかったら店だってまわんねぇだろ?」




俺なんかこんな風にしか言えない。


臆病で弱くて怖くて
本心をいろんなもんで隠して


たった一言「ありがとう」
俺の本心「おまえがいてくれて良かった」


そんな大切な言葉さえ言えない俺なのに…

あのこと恩に思って
そこまで思いやってくれなくても
良いのに…、





「…今日はいろいろ知れて嬉しかったです。

これからもたくさん知っていきたいって思いました。」





月に照らされたチャンミンはやっぱり綺麗で
鼻筋が通った横顔を、

つい、ジッと見つめてしまう。




「そこ、僕ん家なんです。
少し休憩がてら、上がっていきません?」



指差す先はアナベルがシンボルツリーのように咲き誇る門






「え?あれ?アパートじゃなかったの?」




って、履歴書には確か102号室って

これってどう見ても一軒家なんだけど…





「シェアハウスって言うのかな?
よくわからないんですけど友人に誘われて。

飲み物くらい出しますから、ね?」



こういう時のチャンミンは強引で
腕を引き門をくぐる

鍵を開け広い玄関に俺を押し込めると
‘シム’っていうプレートが付いた棚を指さし「靴はここに、」と




俺は初めてチャンミンの家に足を踏み入れた




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今日も読んでくれてありがとう!
コメントお返事は夜までにはしますね!モフって読みましたよ♡ごめんね!よろしくにゃ!
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6 Comments

no name no life  

ユノとチャンミン二人の時はいい音、鳴りますよね〜
あー心地イイです❤️
音って実は耳じゃなく、脳で聞くんですって!脳でチョイスして聞くから、だから物理的な振動音ではなく、二人の間の音とかがきこえるんですね!たぶん…
週末京都で座禅を組んできたんですけど、風の音、鳥の声いつも素通りする音を拾って気持ちよかったです!(聞こえてる時点で座禅としては失格⁉️)
お坊さんがビックリするくらいハンサムでお説法がスイスイ入ってきましたd(^_^o)勝林寺というお寺ですので機会があればゼヒゼヒ(^^)
このままいい音聞かせてもらえますか?僕猫さん心配です!

2018/04/16 (Mon) 14:34 | REPLY |   

僕猫  

no name no life さんへ

ふふふ。そうですか?
そう言っていただけると光栄です♡

2人の音が早く重なれば良いのだけれど、拗らせユノだからなぁ
ただこのシムさんは強引なとこは強引なので
頑張れ!って応援してあげてね?

いい音いっぱいになってくれるといいな♡←と脳内に願う

お坊さんってハンサムなのかな?
知り合いのお坊さんもハンサムなの!
京都行きたいなぁ。まだ4回くらいしか行ったことないの。

2018/04/16 (Mon) 17:43 | EDIT | REPLY |   

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2018/04/16 (Mon) 20:55 | REPLY |   

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2018/04/17 (Tue) 11:19 | REPLY |   

僕猫  

み◯の◯ょ◯さんへ

こんにゃちわ(*^ω^*)み◯の◯ょ◯さん♪

あら。やっぱり…だなんてばれていましたのん?
ええ子ですか?ええ子ですよね。ええ子なんです。←ええ子3段活用w

んー。んーーーー。んーーーーー。
今日のシムの行動は納得頂けるか心配になるわ。←え!
あと1時間後くらいには公開されるけど…ふふ。大丈夫かしらん?

シムの心は…いずこ?←オイ!

2018/04/17 (Tue) 12:48 | EDIT | REPLY |   

僕猫  

レ◯ニ◯さんへ

さぁ、今日はオンニが「ふへ?」ってなることを予想します←え!
ふふふ。

あのねぇ、この子ら本当に大丈夫かな←え!
すっごい拗らせっぽいんですけど←って言うな!

なんだろなー。何事も程々にがいいと思うんだけど
スッゲェ真面目!←ぷ

ん?なんか最初の予想裏切る映像見てるのかって?
うん。

もうね。

押し倒しちゃえばええのに!って←オイ!僕猫は浅はかすぎるぞ!


え?僕猫の仕事?
いや…、ワロテルだけやのん。
ふふふ。
みんな出来る女だからさ。僕猫は裏方〜♪

年下には「もぉ!はい。コレ!」って言われるけど
お姉様方は何も言わずに黙々とお仕事ぱぱっと「はいこれ。僕猫ちゃん。」って終わらせてくれる。

オンニは出来る女だから、叩けばいい音響くでしょん♡
お互い頑張ろー!おー!

2018/04/17 (Tue) 13:16 | EDIT | REPLY |   

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