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STRAWBERRY MOON

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リグレット 28

Category - リグレット






シウォンさんと話した後のユノは考えこむように黙りこんでいた。


少しだけユノの気持ちは分かる。


多分…俺のことを想っていろんな事を考え
その答えに苛つき
俺のことを思って怒ってくれてる。




自分の置かれている現状が見えてくれば
母が自分に課したものは茨の道だとも言える

ただ…
母も追い詰められていたのだと思う。

そして父も…





「泊まっていけばいいのに。」


そう言うテミンの寂しそうな顔を置いてタクシーに乗り込んだ。

隣で黙り込んでるユノ

どこか焦ってるようにも見える。


眉間に皺を寄せ、唇に指先でなぞるようにして考えている姿

こんな大変な時だというのに、その横顔に見惚れる


出逢った日

最初に抱かれた日も…、

車窓から光入り込みチラリチラリと照らされるユノに目が奪われて、これから自分に起こる未知の世界に胸高鳴らせた。




「チャンミン。家に入っても口開くな。」

「え?」


「俺がいいって言うまで黙ってろよ。」




運転手に札を渡し「釣りは取っといて。」と急ぎ出て辺りを見回す。


俺の手を引き、
守るように背中に手をまわされ足早に


視線は忙しなく動かし警戒してるのが分かる。

鍵をかざし中に



鏡張りのエントランス

視線を飛ばしながら


エレベーターに乗っても、家に入っても喋らない。

チェーンをかけ、内側専用の鍵もかけ
カーテンも全て閉じて


そこに居ろ。というように手を動かすから動かず目だけ動かす。



散乱してる

服も書類もなにもかも

ベッドなんかマットも斜めにズレ落ち
枕は引き裂かれ羽があちこちに乗っている

自分が隠したものの確認に行きたいけれど
ユノの許可が出ない。


右へ左へ

キンキン音がする盗聴器を探す棒をいろんな場所に当ててる


バッグや財布、服
いつも帰ってすぐにそんなのを確認してたけど

家中くまなく警戒する姿



頷き近付くユノにホッと胸を撫で下ろし



「いいよ。もう、
おまえが隠したトコってどこだ?」


と不安そうなユノの横を通り過ぎ
冷蔵庫の野菜室を引っ張り出す。


中身を全部出してから裏返すと自分が貼り付けた時のままの書類

あとは冷凍室

パイ生地とパイ生地の間
くり抜くようにして作った隠しスペース



「おまえ、スパイ並だな。」

と褒められると嬉しくなる。

毎日隠し場所を考えてはシュミレーションして何回も隠し場所を変えてきた。


「ユノのお守りって聞いたら、真剣になるしかないでしょ?」

冷蔵庫の中も荒らされた感じはあったけど、
ざっと見たってとこだろう



「ユノのお守り
ちゃんと守れて良かった。」


ユノに手渡そうと向き直り


「んなのすぐに渡しちまっても良かったんだ。俺がなによりも大切なのはおまえだって…分かれよ。」


書類を握りしめたままの手がユノの背中で所在なさげに浮く


ユノが抱きしめてきて
隙間ないほど抱きしめてきて

震える声でそんなことを言うから…




「でも…」

「でも。じゃねぇよ。
俺がどんだけおまえのことが好きで大切か分かってねぇだろ。」




でも、俺だってユノがなによりも大切で好きなんだ。




俺の我儘で
好きだって気持ちに歯止め効かなくなって
ユノに縋った。


ユノの前に自分が現れなければ、ユノが俺を知ることも抱くことも

こうして好きだって言うことだってなかったでしょ?


だから、ユノの好きは…
俺が作っちゃった「好き」なんだ。

俺がユノの人生を狂わせちゃった「愛」





「ユノに愛してもらえるだけで幸せなんだよ。俺は…」



「ふざけんな!」




怒った声とは裏腹な哀しげな瞳が落ちてくる




「俺は昔から、
チャンミンがちっちゃな頃からおまえが好きだった。

愛してもらえる。なんて言い方すんな。」




「ユノ…」





それは初耳で


ただ兄弟と分かってもユノが俺を好きなのは

父が俺を忌み嫌った俺の中に流れる

一族の血に惹かれ
愛して愛し潰してしまう血のせいかと思ってた。


父が言ってた
俺とユノの決定的な違いはソレなんだと思ってた。


…おまえとコイツの血は穢れきった一族の血が色濃く残ってるのがわかるよ。

そう言った父





血に惹かれ血を愛し
濃くなり続けていく一族の末裔

それが俺で


父はそんな狂った一族が大嫌いだったから

ユノの母を愛し
テミンの母を愛し

母を…、俺を忌み嫌ったのだと…、




「おまえは愛されてる。
俺もテミンもおまえのことが好きだ。」

「それは…」


「おまえが俺を好きになるより先に、俺はおまえが好きだった。」

「そんなわけ…」



「好きだったよ。初めてあの家に行っておまえに声かけた時に、もう特別なってた。」


それは、多分…俺たちの、


「俺が先におまえに気付いたんだから
初めに好きんなったのは俺だろ?」


「そんな小さな頃の事、」



笑って誤魔化すしかない。
どこまでいっても血が引き寄せあうってこと?




父が嫌い、母も多分…断ち切ろうとしてた血
テグだって、叔母さんを多分…愛してた

結局は…血が罪を呼ぶループ


テミンがシウォンさんを愛してるのだって
シウォンさんがあの2人を愛してるのだって

…血が呼び合う
求めあう…そのせいかもしれないのに、






「チャンミンは考えすぎだ。
いいじゃねぇか。好きなら好きで、」

「…ユノは俺を好きになったことを、」



「後悔したこともあるし、なんで近付いたんだって恨んだこともあるよ。」



はっきり言われると胸が痛くなる。


好きになって幸せだ。と言い合えない関係は苦しく悲しい。

いっそ憎まれて突き放された方がマシ



ズキズキ痛む傷をお互い舐め合って
「愛してる」が忌の言葉になるくらいなら


いっそ…






「でもな。それ以上の想いでおまえの事を愛してる。

それじゃ…ダメか?」




そんな苦しそうな顔しないでよ。ユノ…




「ユノが幸せでいてくれたら、それだけで良かったはずなのに…」

「チャンミンが俺の中にいるってだけで幸せだ。」



「ユノが愛した人なら愛せるかもしれないと思ったのに、」

「俺が…愛した人?」


「抱いてみてもダメだった。
誰も愛せなかったんだよ俺は…
1度も愛を感じることが出来なかった。」




ユノが抱いた人
愛した人なら愛せるかもしれないと

自分の血が求めやまないユノを絡めとる前に
ユノを傷付ける前に…



誰も愛せない自分が怖くて忌まわしくて



夜を彷徨い、闇を生きた



でも、ユノとのひとときの夢は
…自分に、決定打を与えた



どんなに酷く抱かれようと
その痛みさえ嬉しいほどの自分……それは、





「なぁ、チャンミン。
俺が愛した人って……、おまえだけだぞ?」



驚く俺を、
馬鹿だな。って笑う

目尻に皺寄せて顔が崩れるくらい笑う



「だってユノは…、たくさんの人に愛されて愛して、幸せそうだったじゃないか。

今のユノは苦しそうで…、自分が嫌になる。」





世の中を冷めた目で見てるようではあったけど
優しく誰かの髪を撫で耳元で愛を囁いてた。

こどものように笑い
蝶のように人の間を飛びまわり


そんな掴み所ないユノをみんな愛した。


それなのに、




「苦しいのは愛してるからだろ?」


と、苦しみしかない俺と向き合う。

馬鹿正直のように真っ直ぐに


綺麗ごとを言わず
汚い部分も恐れず晒して、


俺のことを愛してると伝えてきてくれる。




「俺が愛してるのはおまえなんだから
おまえも自分を愛せ。

俺が愛した人を愛せるかもって思うなら
俺の愛するおまえを自分でも愛せよ。」




涙溢れる

悲しみじゃない涙が


ユノの「愛してる」の言葉に涙が出るのは




「生きていいの?
愛されて生きて…俺良いのかな、本当に。」




母さえきっと後悔したであろう俺の存在を
愛してくれるって

自分を愛して良いって


ユノは言うのかよ…




「俺がそうして欲しいんだ。

おまえの心から笑った顔が見たいんだよ。
な?チャンミン…」



溢れ出す涙は止められないけど

精一杯の笑顔を、ユノに



頬が変にひきつれてないか不安になるけど
でも精一杯の笑顔を


あなたが望んでくれることが何より嬉しいから、心からの幸せを…笑顔を、




「…弱くてごめん。」


「そんなの一緒だよ。俺もグダグダ…
心ズタボロだよ。今回は…、」

「ごめん。」


「俺もごめんな。
いっぱい話あっていこ?もうこんなの懲り懲り…、生きた心地しねぇよ。」



優しいキスは涙味



「まずはおまえをちゃんと感じたいんだけど、おまえは?」


「…ユノをちゃんと感じたい。」



「じゃぁ、ベッドをどうにかしなきゃな。」




ふたり、笑い
ふたりでベッドを片付ける

ユノのお守りもユノとふたりで隠して…



視線が合うだけで初めて同士みたいに照れ
指先を掠め合うだけで会話が止まる





本当の意味で

ふたり歩き始めたのは
この時だったのかもしれない



お互いを分かり合おうと手を伸ばしあった

初めての…春、



春を告げる鳥たちが…、鳴いた。





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今日も読んでくれてありがとう♡
好きですよ。とお声をかけて頂いたり、僕猫すら見えてなかった愛を教えてくださったり、拍手の重みも感じるお話リグレット
私ごとですが、明日僕猫がこの世にぽっこり4200gで生まれ落ちた日なので、リグレットもエロん行ってみようかと←匂わせでスルーしようとしてた人
母上〜〜どでかいの産んでくれてサンクス♡
え?エロんはいらない?…そかw
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Category - リグレット

4 Comments

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2018/03/22 (Thu) 21:16 | REPLY |   

僕猫  

僕兎さんへ

前夜祭ありがとうにゃん!僕兎( ^ω^ )
そりゃもう、腰が抜けるくらいびっくりしたぽん。
ありがとうね!嬉しかったよ〜〜(((o(*゚▽゚*)o)))♡

お。レジェンド?
レジェンドはやだなぁ←ぷ
人がいいって言うより、まぁ、いっか。って感じかな?
誰かがやるわけだし、PTAも楽しくやれば楽しいよ。
お仕事してたら、無理だもん。
拘束時間が長いから、助け合いだよ。助け合い。
私が苦手な事は、みんな協力してくれるし(〃ω〃)
おさがりの服ゲット出来るし←ほぼ買ってないw

そんな偉くないの。

牡羊座だよ〜〜♪モコモコw
綺麗な画像ありがとう!
ごめんね。無精僕猫で( ˙-˙ )←反省

2018/03/22 (Thu) 21:56 | EDIT | REPLY |   

rellanim1128  

僕猫ちゃん
センイルチュッカヘ♪ヽ(*^▽^*)/★*☆♪

素敵な一年になります様に♪ヽ(´▽`)/
誕生日を幸せな気持ちで過ごせますように♪

4,200グラムですと?
びっくらポン(*≧∀≦*)


せっかく二人がベッドのお片付けしたんだから誕生日の記念にエロん、書いて♪書いて♪ね?

相方さま☆センイルでお話書いて下さるって?わぁ、楽しみだね(*^^*)


オプコメだよ♪(*^^*)ポッ
間違いじゃないよ♪
でもいつもより短め♪腐゜(/ω\*)ニャハ~

2018/03/23 (Fri) 01:03 | REPLY |   

僕猫  

レラニムさんへ

オンニ(´⊙ω⊙`)オプコメ!
それの方がびっくらぽんだわよw(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾←ぷ

でかい子でしょ?
けど妹の方がでかくて恥骨が悲鳴あげ、もう次は自然分娩は無理だって言われたらしいっす。
母には感謝しかないわ。未知のデカさ…僕猫には無理←ぷ

エロん?了解w
だだ滑りな誕生日にしてみせましょうw

そうそう。きらりんが「誕プレ何が欲しい?」って聞くから「愛とお話」ってリクエスト♡ドS調教師シムのシャチの続編って希望出したら書いてくれるってw
オンニも楽しんでね♪

本当だ!
いつもよりおとなしめなオンニ(о´∀`о)
幸せな僕猫は今日も相変わらずな僕猫で楽しんできたいと思います♪
ありがとう!\(//∇//)\

2018/03/23 (Fri) 06:21 | EDIT | REPLY |   

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