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STRAWBERRY MOON

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リグレット 24

Category - リグレット









「花見でもしませんか?ユノさん。
手土産は例のものでいいですから。」



そう言って呼び出された場所にチャンミンの姿はなく、

広い裏庭、蔵の前に連れていかれ開かれた扉


そこへ歩み出てきたのは




「綺麗な桜だろう。なぁ、ユノさん。」




綺麗な肌に花咲された…




「…チャン…ミン…、」



まさか二度までもコイツに…と
煮えたぎりそうになる俺とは正反対な


凪いだ瞳
背筋を伸ばし凛と立つ姿


穢れなどないとばかりのチャンミンに暴走しかかっていた心の波が凪ぐ



微笑んだようにさえ見えたその表情は
出逢った頃の…

違う、それ以上の輝きを放ち





「…テグさん。返して頂けませんか?」




ゆっくり開かれた唇からは吐息ではなく声


失くしたはずのその声は淀みなく有無を言わせぬ強さを持ち

視線を少し動かしただけなはずなのに



ザリっと小石が擦れあった音が隣から響く




「僕の服を返して頂けたら、今回のことには無かった事にさせて頂きます。」




吹き抜けていく春風が不揃いの髪を揺らし
桜の木から抜け出てきた本物の精霊のような趣きに

俺まで息をのむ



風切羽が生え揃い
籠から飛び立つその瞬間のように、
美しい音を奏で人を魅了する



「…ここから、無事に出られるとでも、」


と、安っぽい言葉のようなものが
突風に吹き飛ばされる



その風が止み



止まったかのような時が動き始める合図は



「僕はここで争うつもりはありません。」



怒りも恐れもないチャンミンの声




感情が読みとれないことが何よりも怖いものだと知る。


この茶番を仕組んだコイツらが予想だにしなかっただろう展開


チャンミンを傷つけ俺をも谷底に突き落とし
取り乱し泣け叫ぶ姿を目論み
心壊れるのを手ぐすね引いて待っていたのだろうのがわかる。




ふわり揺れる空気

真っ直ぐに俺を目指し歩く姿





「ユノ、…家に帰りたいな。」


あっさりと言ってくれるな。おまえは。


どんだけ心配して後悔して
ヒョンだって、ジンさんに頼みこんで

手引きしたアイツをすぐにでもぶち殺したい気持ち抑えて…

でも…



「あぁ、帰ろう。チャンミン。」




薄手のコートを脱ぎながら近付き
その肌に掛ける。


…抱かれていようと、俺には問題などない
チャンミンが帰りたいと言うなら帰ろう




ここに案内するまで多弁だったコイツらが凝視したまま動かない。




俺だって何も用意せず乗り込んだわけではないけれど、チャンミンの振る舞いはもっと何か強大な力が働いているかのようで


にこりと笑い「ありがとう。ユノ。」
そう言われるだけで俺まで跪きたくなるほどの




「テグさん。
僕の服はあなたに差し上げます。
けど…ユノもテミンもあなたに差し上げる気はありません。」


「…おまえは、何を、」



それだけアイツに言うと静かに俺の手に手を重ねる。




「ユノ、心配かけてごめん。」


まるで俺しか見えていないかのように俺だけを瞳に映す

回されていく腕は俺を抱きしめ
耳元で囁かれる言葉



「ちゃんと約束守れたのかな?俺。」



こんなんなってるくせにソレかよ。

首に巻かれた包帯は血が滲み痛々しく
俺以外の奴に付けられたソレは、



でも、
頷き、抱きしめ返す



おまえが命張ってでも守ろうとしてくれたものは、コイツらに渡ってはいない。


だからこうして、おまえを餌に俺が呼び出されたんだろ?


「よかった。」そう呟くおまえはやっぱり強さを秘めていたんだな。







「何か勘違いしていないか?チャンミン
君たちをどうするのか決めるのは私だ。」



俺たちが憎む相手が意にそぐわぬ展開だとばかりに声を荒げる。

怒りがこんなに滑稽に見えるのかと思うほど





「…あなたは後悔していないのですか?
父と瓜二つのユノを前にしても、父が妻とした母に似た僕を見ても、」


カラダに響くチャンミンの言葉は謎かけのようで俺も戸惑う。


「後妻として入った父の…」

「何を言い出すかと思えば昔話か。」



話す気などない。というように手を払う仕草


周りにいる奴らもどう動けばいいのか。と探りあうように目配せしあう。


…ヒョン、まだかよ。


チャンミンを見つけた時点でタップした携帯
俺の中にチャンミンがいるうちに、動いてくれないと面倒になる。




「父の未来を摘み、追い詰めたのは怨みからですか?それとも妬みですか?」


「…それを知ってどうする。」


「叔母の死は…あなたが望んだことですか?」



心中焦っていた俺とは違い
チャンミンは問いかけ続ける。


それは作戦でも惑わすことを目的にしてるわけでもなさそうで、


まるで心を解放していくように
俺の腕の中で力強く


震え悲しむのではなく
蔑み罵るのでもなく

自分の感情を消して問い続ける。




「あなたを縛り付けているものはなんですか?」


「おまえに、何がわかる。
おまえは母親そっくりだな。正論ぶって偽善者ぶる。

おまえの中にも私と同じ血が流れているというのに。」


「ユノにも同じ血が流れてる。
それでも母が父を愛したように僕はユノを愛し続ける。」



俺が調べ続け悩み続け
それでも手を取り、それでも迷うことを
自分を汚した相手に淡々と告げる


俺の母親は許嫁がいた父を愛し
勝手に身ごもり勝手に…

チャンミンたちを苦しめたのは俺たちの方なのに



「僕が犯した罪がユノを苦しめるのなら
それを愛でずっと返し続けていく覚悟を…」



チャンミン…

おまえに罪なんか…



でも、俺の鳥籠から飛び立つ鳥は
愛を語り、真っ直ぐに愛を見つめる



「共に乗り越えていける強さと力を持ち
自分で掴みとっていける自分でいます。」




春風が吹き抜け
それで良いのだと言うかのように頬を撫でる

遠くに聞こえる鳥の囀りさえ祝福を示すかのようにさえ


チャンミンに何があったのかはわからない。
わからないけど、何か殻を破り

戦い始めようとしていることだけはわかる。
俺の隣で、




「おまえに何が出来る。」


「断ち切る痛みを、罪も罰も…ユノへの愛に

それに気付かせてくれたあなたには感謝してます。」


…感謝、


「人の汚さや裏切りや弱さに目を背け続け、
贖罪という名に縋りユノを傷つけた。
…あなたが選んだことと僕も変わらない。」


「知った口を……、」


「次にお会いする時には、あなたをここから断ち切って差し上げます。」


それにはまだ足りないものがある。
コイツを引きずり下ろすには、まだ…

…って、引きずり下ろすんではなく
断ち切るっていうのは…



「…おまえ如きが、」

「僕だけでは無理でしょうね。でも
僕にはユノがいる。弟も…、全ての人を大切にして生きたい。」


「勝者はひとりだと学ばなかったのか?」




「母は断ち切る強さを持てと…
けどそれは人じゃなく、…弱い心を断ち切れということだと、」


「あの女らしいな。おまえも偽善者か。」




父は本家の後妻の子だというのはすぐに調べがついた。


一生現役とでもいうのか、それはお家騒動の種を蒔き続けることでしかないのに

俺たちの祖父という人もあちこちに愛人や妾を囲い


自分の孫であるコイツと同年代の子、父を後妻との間もうけ、本家事情は混沌としていた。


家系図を開いたらこの庭じゃ足りないくらい線が絡み合ってるだろう俺たちの家系


コイツは俺たちの従兄弟ではあるけど父との方が関係が深い。

そして叔母はシウォンとの方が…


理解できるか?

俺は未だにこんがらがって上手く理解出来ていない。



それをチャンミンはしっかりと全て把握している口ぶりで

…消えてるコイツの会社の株

それの行方も知ってるのか?
もしチャンミンが持っているのだとしたら手放せばコイツに金を借りることも抱かれる必要すらなかったはずだ。



チャンミン
おまえに何が…





アイツに耳打ちをするこの家の奴の様子に
やっと俺が手を打ってきたものが動き出したのだろうと身体に力が入る。


大人しく出してもらえれば、御の字

人を追い詰め続け、手を汚してきただろうコイツらが易々と解放してくれるのか。と




「…今日のところは帰って貰って結構だ。」

「それだとっ」


本名が本当にコテツというのかすら怪しい俺をハメた奴が焦って抗議してするも視線が出て行けと示す



「行こう。ユノ。」


隣に並び立ち歩き出そうとするチャンミンの胸元をかき合わせベルトで締め閉じる。

さっきまで、素っ裸でも顔色ひとつ変えてなかったのに急に照れたように俯くから


「ボケっ、」


そんな顔、まだすんなよ。ヒョンが待ってる。

ふわり微笑み俺を見上げ、俺に合わせて足を動かし始める。



「そっか。本家だったんだ…」


なんて周り見渡し、落ち着きはらっている。

こっちはまだハラハラしてるっていうのに

俺なんか落ち着いたように見せてたって、こういう駆け引きじみたものは初めてで


…まだ、口添えや情報交換の方がリーマンっぽいじゃねぇか。



「多分、抱かれてはないんだと思うけど、後でユノが確かめてくれる?」


「は?」


「ユノが嫌じゃなかったら…だけど、」


嫌なわけねぇだろうが…

どっちにしたって、俺はもう手を離す気なんかないって分かれよ。

手を握り頷き
見え始めたヒョンの立つ門へと視線を戻す



「…声、戻ったんだな。」

「ん。心配かけてごめん。」


「俺、おまえに何も出来なかったな。」

「声を戻してくれたのは、ユノだよ。
初めて出た言葉はあなたの名前…、」


「俺の?」



立ち止まりチャンミンの腕を掴み見つめる俺に、何事かというように走り寄るヒョンを視界に捉える



「ユノ、愛してる。

ちゃんと声に出して伝えられて良かった。」



そんなチャンミンの爆弾的告白を
真顔で駆け寄って来てたヒョンの顔がくずれ笑い



「こんなところで大物だな。チャンミンは…

声戻ってよかったな。早く乗れ。さっさと行くぞ。」



と声に押されヒョンの車に乗り込む。


助手席にはテミナが心配気に、そんなテミナにチャンミンは「ありがとう。」と


優しく微笑み髪を撫でた。





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今日も読んでくれてありがとう♡
なんなんだ?コレは…と思いつつの拍手とランキングポチこだと思うのですが、力になってます。
どうにか後はバトルだけっぽいような感じです←いつもの如く自分の脳内を分かっていなくてごめんなさい!それでは!
こちらはね。まだ春休みに入ってないの。お花見したいなぁ。
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2 Comments

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2018/03/19 (Mon) 01:31 | REPLY |   

僕猫  

レ◯ニ◯さんへ

オンニ(´;Д;`)だしょう?こんなん見せられてんの←ぷ
えっと、どういうことですか?となって、書き起こしてもコレで間違いない?とか考えてしまう。←ぷぷ

人の眠ってる時の夢は7割くらいは悪い夢らしいけど、
そんな夢に支配されちゃってるようなお話…

最近の夢見も悪くて…な、闇病みな僕猫
玄関開けようとしたらガムテで細かい格子状にびっしり貼ってあってでらんなくて、ポスト覗いたら「浪人生舐めんな」って紙が入ってて、何事?と覗き穴覗いたら、変な男の人立ってて、アレ?この人交番のお巡りさんじゃん。って思ったら、ニヤリ不気味に笑われ、あ、娘のお迎え!どないしよう!って思った夢を見た←ぷ

僕猫…疲れてんのかな?←ぷぷぷ

…でも寝てる時の夢は支離滅裂w
浪人生ってなんや?なぜお巡りさん?
と、わけわからん。でしょ?w

僕猫の脳は色々不思議な脳です。はい。

悪趣味な仇と冷静に対峙したユノさん
でも、背骨折るぞ的なお顔はしておりましたわよんw

リアルのひとり暮らしの映像にニヤリ
カムバ映像にグフっとなりつつ頑張って最後まで行こう♡

今日からも頑張ってねん!オンニ♡

2018/03/19 (Mon) 05:10 | EDIT | REPLY |   

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