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STRAWBERRY MOON

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我はわれ也 38

Category - 我はわれ也






あと30分くらい、かな…


時計の針は僕たちの気持ちを待ってはくれない






パンツにYシャツって組み合わせ姿のユノに
お小言ばっかの僕

笑いながらソファでおにぎりにかじりついて
甘えるように僕に体重をかけてくる



「なんでスラックス履いてこないんですか」

「皺になるだろう?」


「そのパンツ僕のです。洗ってあったユノのを出したはずですけど…」

「いい匂いがしたから、いっかな?と思って」


「…変態ですか?わざわざ籠漁ったんじゃ…」

「ん?そんなには…」



って、漁ったのかよ!



「そんな体重かけるな!重い。」

「脳みそ詰まってるだけだし…、チャンミンこそ俺の頭フルなよ。ごはんが飛ぶ!」



って、濡れた髪でYシャツまで濡らしそうだから、僕が拭いてあげてるんでしょうが!

それなのに、グイグイ体重かけてきて…

手首痛いっつうの。



「ドライヤーもかけちゃいますよ。」

「チャンミンは食わねぇの?」

「僕だって食べたいですけど、こんなんじゃ気になって…」



おにぎりが僕に近づくから、かぶりつく。



「あーーーっ!具が全部なくなった、
…俺のたらこちゃん…、ヒドイ…」


ドライヤーをかけ始めても、なんか言ってる
この音で聞こえねぇって分かんないっすかね。

…それでも、僕が飲み込むと同時くらいに
ユノの指つきおにぎり。


本当は、指、の方が食いたいけど…
指を避けて、口に入れる

ってなんだよ。具なしのとこじゃん。

ニヤッと見上げてくる目がイタズラっ子みたいで、もう、本当にこの人は…



熱風を顔にかけてやる。






髪を下からすくい上げるようにしながらドライヤーをあてる。


ふわふわっと舞う毛先

ユノに触れてるって感じがする
地肌ってエロいな。

髪に隠されてるところだから、かな?


頭の形を確認するように指を滑らせると、亀みたいに首を縮こめる。

皺の寄った首にも指を滑らせると、思いっきり首を振って真っ赤な顔を僕に向けるから


キスを唇に落とす


ユノから魚の匂いがする。
シャケ、か…

塩っぽい味のする唇、



好きだよ。ユノ、
…大好きだ…





「…、チャンミンってさ、」

「なんですか?」


「セックスした次の日の朝って…」

「ん?」


「…こんな激甘だったら…、か、彼女とか」

「あぁ、世話焼きたくなるのってユノだからですよ?ほっとけないっていうか、ん」





ったくもう、
ユノでもヤキモチ妬くんだ…、

結構嬉しいかも、な。



時計の針が刻む音を聴きながら
ユノとのキスを堪能する。


こんなに離れがたい気持ち
離したくない唇



タガが外れたように湧き続けてる…なんだろ?

なんなんだろうな。
胸の奥が掴まれてるような、この感覚



本当にわからないことだらけだよ。ユノ





「……、も、用意しなきゃな。」

「、で、すよね。」


「ごちそうさま。歯、磨いてくるな。」



ユノの方が切り替えが上手い、

僕の腕の中からすり抜けて、先に歩き出す。


僕はその気持ちに追いつこうと、
…追いつかなくちゃ、ユノのところまで


心のコントロールも強さも…僕も、
追いつきたい。



ドライヤーを片付けながら、味噌汁を流し込む。

ゆっくり向き合って朝食もとれない朝

ユノを見送る朝…、






「んじゃ、もう出るな。」

「下まで送ります。」


「ん。ありがと。」


鍵だけを持つと、玄関先に待つユノのもとへ

スーツを身に纏い、
さらりと舞う髪をかきあげて


「んじゃ、行くか。」


そう言うユノの後ろ姿を追う





幅広の肩
シャンとした背筋

エレベーターのボタンを押す様も


いつもと違うユノに見えて


身に纏うもの1つでカメレオンの様に変幻する


…ヒチョルさんが言ってたこと
分かってきた。



ツナギを着たユノと目の前にいるユノ

初めて出会った時
今のユノだったら、僕の見方は違ってたかもしれない。



狭いエレベーターの中、
息遣いまで気になって口内に唾液が溜まり

ゴクリっという音も響くような気がして
ソワソワした気持ちになる。



「…、何ジッと見てんだよ。」

「、出来る男に見えますね。」


言葉を発する前に飲み込んだ唾が喉の奥に絡まる。


「…見えるって、俺は出来る男なの!」

「…確かに…」


エレベーターが着いたことを知らせるベル

ゆっくり開いた先に、



「アレ?チャン、ミン?出掛けんの?」

って、キュヒョン、なんで?





僕とユノを交互にみて訝しむ顔をするから、キュヒョンに家鍵を握らせて、ユノの手を引く。


「ユノ、さん、見送ったら帰るから入ってて。」


親友の目が見れない。

ユノのこと…、ユノさん、だなんて。








「…ごめん。ユノ。
キュヒョンにもちゃんと話すから。」

「それはチャンミンの問題だから、どっちでも大丈夫。だかんな。」


大きな手で僕の頭を2回ポンッポンと
そして、
淀みのない瞳で僕を諭すように言葉を紡ぐ



「俺はこれ以上のこと望んではねぇから。」

「え?」


「心が通じ合えた。
それが俺にとっての全てだから、
おまえはおまえの生き方をすれば良い。」


「…わかりました。」



「ん。またな。チャンミン。」

「気をつけて、」


「着いたら連絡する。」



ゆっくり走り出す車を見えなくなるまで見送る。





キュヒョンのタイミングの悪さに胸の奥が重い



目を逸らさず、なんの含みもない笑顔を僕に向けて「またな」って言えるユノを想うと益々胸にツカエが出来たみたいで


本心で言ってるって分かればわかる程


苦しくなる。



始めて乗り越えるべき人が、
僕の唯一の親友だなんて…、





立ち竦む僕を嘲笑うかのように

朝のカラスがひと鳴きして飛びたっていった








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